1)  研究室紹介

本研究室は,計算力学の真の意味である「数値シミュレーションにより力学現象を解明する」を実践するために,計算力学の考え方や手法について研究し,土木工学における計算機支援工学の推進とその新たな展開を目指しています.研究室の発足から23年目を迎え,その間に本研究室を巣立った学部卒業生は189名,博士前期課程修了生は74名,博士後期課程修了生は4名を数えています.

本年度の研究室の主な研究課題は,解析グループでは,津波や都市域の大気環境シミュレーション,VRグループでは,道路騒音シミュレーションやプリ・ポスト処理システムの構築などを行っています.

2)研究室ニュース

今年の研究室の陣容は,卒研生が6名,修士が5名(M13名,M22名)の合計11名です.学科定員が少なくなった影響を受けて,人数としては過去最少の陣容となっていますが,その分一人一人の学生と議論する時間は増えています.このことにより,研究成果がこれまで以上に出ることを大いに期待しているところです.なお,昨年度の研究テーマと進路は表のとおりで,幅広い研究を行っています.学会発表関係では,多数の国内会議に発表すると共に,今年は大学院生全員が国際会議にて発表を行う予定です.表彰関係では,今年は残念ながら受賞はありませんでした(大学祭の研究室公開コンテストで学部長賞(2回目)を戴いたくらいです).また,今夏も研究会の発表会を兼ねた合宿を新潟県津南町にて行いました(写真1).

なお,昨年の年末には,2年毎に開催している研究室の同窓会を開催しました.約50名の卒業生が集まり,日頃の仕事の成果を披露し合う講演会を開催し,公務員,コンサルタント,ゼネコン,エネルギー関係から,講演をお願いしました.講演会後は,懇親会を行い,現役学生を含めて旧交を温めました(写真2).

また,新2号館の研究室内に立体視の原理のパネルや様々な立体視可能な装置を展示したVRミニ博物館を開設し,一般にも公開しております(隔週土曜日).

樫山は,学会活動として一般社団法人日本計算工学会会長などを仰せつかり,教育・研究以外でも忙しい日々を過ごしています.

写真1 研究室合宿の様子(新潟県津南町)

写真2 同窓会の集合写真

32012年度就職内定先

大成建設㈱,東京都,神奈川県,埼玉県,()ベクトルジャパン,進学(中央大学大学院,東京工業大学大学院)

42011年度卒業生の研究テーマ

○卒研生

氏 名

研究テーマ

江嶋孝

道路交通騒音システムを用いた遮音壁先端形状の違いによる減衰効果の検討

栗原啓輔

安定化有限要素法による熱−流体連成解析手法におけるBoussinesq近似と低マッハ数近似の解の比較研究

高橋佑典

CIVA−安定化有限要素法による津波解析に関する研究

田中智

VR技術を用いた3次元メッシュ修正システムの構築

前川慎太郎

津波解析用メッシュ生成システムの構築

瀬谷百香

VR技術を用いた可視化の品質向上に関する研究

高橋歩

VR環境における道路交通騒音の脳への影響評価に関する研究

○大学院修了者

氏 名

研究テーマ

柴田啓輔

VR技術に基づく視覚・聴覚情報を用いた対話型道路交通騒音評価システムの構築に関する研究

関谷香恵

流体構造錬成解析のための有限被覆法に関する研究

原田悠里

安定化ISPH法による大規模自由表面流れ解析に関する研究

牧野優作

浅水長波流れ解析のためのDG有限要素法に関する研究